ページ数が多くて分厚い小説同人誌は、いろんな点に注意してつくらないと、読みにくいただの鈍器になってしまいます。
分厚い同人誌づくりで失敗しないために、この記事では注意点をすべてまとめます!
薄い本文用紙を使う
厚めの本文用紙でページ数の多い同人誌をつくると、重くて開きにくくて読みにくい本になってしまいます。
分厚い同人誌で使うべき本文用紙
分厚い同人誌(300ページ以上)には、よくある『90kg』の用紙を使うと厚すぎます。
できれば、50~60kg代の用紙を使うのがベストです。
ただし、『kg』が小さければ紙は薄いというわけではありません。用紙の種類によって厚さは異なります。

分厚い同人誌で使える本文用紙の厚さについては、この記事でまとめていますので、参考にしてみてください。

分厚い同人誌を印刷したいときにオススメの印刷所まとめです。薄い本文用紙が使える印刷所をまとめています。こちらも合わせて参考にしてください。
実際につくって比べてみた
この2冊は、同じページ数・同じサイズの同人誌を、本文用紙を変えてつくってみた例です。
- 紫の方:本文用紙 書籍用紙 72.5kg
- 白の方:本文用紙 淡クリームキンマリ57kg
※どちらも480ページの同人誌です
ページ数が同じでも、本文用紙が異なるとこれだけの差があります。
背表紙の分厚さが全然違います。
当然、重さにも差があります。
書籍用紙72.5kgの同人誌は、1冊で468g。
クリームキンマリ57kgの方は、1冊384gです。同じ本なのに、84gの差があります。
これは手に持ってみると意外と違いがよくわかって、紫の分厚い方は、手に持って読んでいるととても疲れてきます。そこそこページ数があるので白い方もやや手が疲れますが、紫の方と比べるとかなり軽く感じられます。
開いた感じにも違いがあります。本文用紙が薄い方は、こんな風にぐっと曲げることが可能です。
本文用紙が厚い方は、簡単に曲げることができません。とにかく硬いです。
分厚い同人誌をつくるときは、必ず薄い本文用紙を使いましょう! 重い本って読むのめちゃくちゃ疲れます!!
余白に気を付ける
「余白」とは、赤い丸で囲った部分のことを指します。分厚い本をつくるときに特に気を付けないといけないのは、余白の「ノド」の部分です。
「ノド」とは、本を綴じている側の余白のことです。
分厚い本ではこの余白が狭いと、文字が巻き込まれて読めなくなってしまったり、強く開かないと読めなくなってしまいます。余白は普段より広めに取るようにしましょう!
こちらの本は、480P・B6サイズでつくった私の同人誌です。余白をそこそこ取っているので読みやすいと思います。
私が設定した余白は以下の通り。参考までにご覧ください。
- 上:22mm
- 下:20mm
- 左右:16mm
- とじしろ:9mm

Wordでの余白の設定の仕方などはこちらの記事にまとめています。Wordを使っている方は参考にしてみてください。
クリーム色の本文用紙を使う
本文に使える紙は大きく『白色』と『クリーム色』があります。
小説同人誌にはクリーム色の本文用紙が向いています。特に分厚い同人誌の場合、必ずクリーム色の本文用紙を使うようにしましょう。白い紙は、長時間読んでいると目が疲れてしまいます。
- 淡クリームキンマリ
- 美弾紙ノベルズ
- 書籍用紙
同人印刷所によくある『上質紙』は基本的に白色なので、小説同人誌には使わないようにしましょう。

本のサイズ変更を検討しよう
同じ文字数でも、文庫サイズよりA5サイズの方が、1ページにたくさん文字を詰め込むことができます。文庫サイズで300ページになる場合でも、A5サイズに変更したら200ページ以内に収まります。

分厚すぎると印刷代も頒布金額も高くなってしまいます。文庫・新書などの小さなサイズだけにこだわらず、A5サイズに変更することも視野に入れてみてください。
分冊も検討しよう
500ページを超えるなど、かなり本が分厚くなってしまう場合は、2冊に分けることも検討してみてください。
1冊あたり500ページ以上になると、本文用紙を薄くしてもかなり分厚く、重く読みづらくなってしまいます。上下巻に分けられる場合は、2冊に分けるのがオススメです。
以上、分厚い同人誌をつくるときに気を付けるべき5つのポイントでした!
分厚い本は素晴らしいですが、気を付けて作らないと読みにくいただの鈍器になってしまいます。以上5つのポイントを守って、分厚くても読みやすい最高の本をつくってください!