よっしゃー!! 新刊の原稿書き終えた~~~!!!!!!
と超絶浮かれた気分のときにやらなければいけないもの、それが校正作業です!
この記事では校正の方法や注意点などについてまとめていきます。
- 校正って何?という人
- 校正なんて必要なの?と思っている人
- 校正のやり方がわからん!という人
校正とは
そもそも校正って何?という方もいると思います。以下、Wikipediaから引用。
校正(こうせい)は、印刷物などの字句や内容、体裁、色彩の誤りや不具合を、あらかじめ修正すること。
簡単にいうと、自分の小説原稿にミスなどがないかチェックして修正することです。
似たものに「推敲」があります。推敲とは、文章などを良くするために考え、練り直すことを指します。
推敲は書き上げたあとではなく、書きながら自然と行っている方も多いと思うので、本記事では特に触れません。
同人原稿に校正って必要?
もちろん必要です!!!
小説同人誌を読んでいると時々、誤字が多すぎる本に出会います。そんなとき皆さんも「この人自分の原稿読み直さなかったのかな?」と思いませんか? 誤字や誤用、違和感などを極力なくすため、校正はしっかりと行いましょう!
小説同人誌の校正のポイント
特別難しく考えなくても、校正はまず「自分で読んでみて気になるところを探す」作業だと思えばOKです。
では、特にどんなところを気にするべきなのか、まとめておきます。
- 誤字の確認
- 誤用の確認
- 基本的な原稿ルール
- ひらく漢字の統一
- 一人称、呼び方がブレていないか
- 同じ単語、表現が何度も繰り返されていないか
- 一文が長すぎないか
- 代名詞が意味のある使い方をされているか
- 読んでいてわけのわからん部分がないか
誤字の確認
とにかくまずは誤字がないかを徹底的に確認しましょう。自分の書いた文章だとついつい誤字に気付かず読み飛ばしてしまいがちなので、ゆっくりと、何回も読み返して誤字チェックするのがおすすめです。
特に、「固有名詞(キャラの名前、グループ名、国の名前など)」の間違いは、読者も引っ掛かりを感じてしまうことが多いです。注意して読み返してみてください!
誤用の確認
「言葉を間違って使っていないか」のチェックです。
これは自分で気付くのがかなり難しいんですが、読み返してみて、意味が合っているか自信がない単語が出てきたら全部調べるくらいの気持ちでチェックするのがいいと思います。誤った意味で覚えてしまっている単語って結構あると思うので、とにかく自分を疑っていきましょう。
基本的な原稿ルール
「かぎかっこはちゃんと閉じてあるか?」「文頭は字下げしてあるか?」「三点リーダーは複数個使っているか?」「意図しない改行が挟まっていないか?」など、基本的なルールを確認しましょう。
ひらく漢字の統一
例えば「とき」なのか「時」なのか、「ない」なのか「無い」なのかなど、その言葉を「ひらがなで書くか漢字で書くか」は1冊の中で統一しておく方がベターです。
「これはひらがなで書く」「これは漢字で書く」と自分でメモ程度にまとめておいて、その通りに書けているかチェックするとやりやすいと思います。
ちなみに、個人的には同人小説はあまり難しい(読みにくい)漢字は使わず、それなりにひらいてある方が読みやすいと感じます。
一人称や呼び方がブレていないか
そのキャラは自分をなんと呼ぶのか。俺なのか僕なのか私なのか。「俺」だとしても「俺」なのか「おれ」なのか「オレ」なのか。変換ミスなどでブレてしまうことも時にはあるかもしれません。読み手にとってかなり気になる部分なので、しっかりチェックしましょう。
また、キャラ同士の呼び方も1冊の中でブレていないかよく見直しましょう(関係が進むにつれて呼び方が変わる場合などは除く)
二次創作の場合は、公式の一人称や呼び方とズレがないかも改めてしっかり確認することがおすすめです。特に書き慣れていないキャラだとミスが起こりやすいので、よくよく注意してください。
同じ単語や表現が繰り返されていないか
書いている最中には気が付きにくいですが、何度も同じ単語を使ったり、何度も同じ表現をしてしまうことはよくあります。
人によって、クセみたいによく使ってしまう表現や単語があると思います。冷静になって読んでいると割とすぐに気が付けるので、読者として自分の書いた原稿をゆっくり読み返してみましょう。
一文が長すぎないか
説明や比喩が多すぎて一文が長い!!!!! となるパターン、あると思います。これも校正で直していきましょう。
作風にもよりますが、基本的には一文は短い方が読みやすくわかりやすいです。自分でも読んでいて引っかかるな……と感じる部分は、読み手も十中八九引っかかります。読みにくいと感じるほど長い文章は短くなるよう修正するのがおすすめです。
代名詞が意味のある使い方をされているか
「これ」「そこ」「あの」「彼」などの代名詞がちゃんと使えているか、意味が通じるか確認しましょう。
「『あれ』って書いてあるけどどれのこと????」って頭を抱えるパターン、よくあります。その代名詞が何を指しているのか、わからない部分はきっちりわかりやすく直しましょう。
読んでいてわけのわからん部分がないか
これまで挙げたポイント以外でも「なんか引っかかるな……」とか「意味がちょっとわかりにくいな」と感じるポイントがあれば、そこはできるだけ全部修正しましょう。
書いた本人がわからないことは、おそらく読み手にはもっとわかりません。少しでも違和感を覚えた部分は、修正してわかりやすく変えるのがベターです。
小説同人誌の校正のやり方
「校正のポイントはわかった! じゃあ実際どうやればいいの?」というお話をここからしていきます。校正は基本的に「書いたものを読み返す」作業ですが、やり方がいくつかあると思うのでここでご紹介しておきます。
ここの方法を全てやるのがいい!というわけではありません。ご自分に合ったやり方を探してみてくださいね!
そのまま読み返す
スマホで書いている方はスマホで、パソコンで書いている方はパソコンで、書いている環境でひたすら読み返します。できれば時間をとって1から最後まで一気に読み返すのがより良いと思います。
他の端末で読んでみる
パソコンで書いている方はスマホで読んでみてください。画面のサイズが違ったり、普段書いている環境と異なると、意外とこれまで気付かなかった誤字などに気付くことができます。
私は普段パソコンで原稿を書いているんですが、スマホで読むと、パソコンで読んでいたときには見落としていた誤字によく気が付きます。簡単にできる方法なのでオススメです!
横書きを縦書きに、縦書きなら横書きにしてみる
横書きで書いている方は縦書きにして、縦書きで書いている方は横書きで読んでみる方法です。書いている環境から変えると、やはり誤字などに気付きやすいです。
特に、横書きで書いている方は縦書きで校正することをおすすめします。
印刷して読んでみる
実際に紙に印刷して読んでみる方法です。個人的にはこれが一番おすすめです!!! スマホやパソコンだと気付けなかったちょっとした違和感を見落とすことが少なくなる気がします。
薄い本の場合は自宅プリンターやコンビニで印刷、分厚い本の場合は一冊だけ印刷所さんに刷ってもらうのがおすすめです。印刷所で刷ってもらうと、ついでに余白の感じとかも確認できるので一石二鳥ですね。
その分締め切りに余裕を持って原稿をやらないといけなくなりますが、特に気合い入れて書いている本や長編の場合は一冊試し刷りすることを強くおすすめします!!
時間を置いてみる
締切に追われているとかなり難しい方法ですが、書き終わってから時間を置いて(できたら1週間くらい)読み直すのはかなりおすすめです。
誰しも書き上げた直後はハイになってしまっているものなので、読み返してもあまりミスに気が付けません。自分の中で物語ができあがっているので、ちょっとした違和感は見過ごしてしまいます。
時間を置いてちょっと冷静になってから読み返すと、意外なミスが見つかったり、「書いてるときは良いと思ったけど意味わからんな……」というポイントに気が付いたりします。
人に読んでもらう
人に読んでもらうのもかなり効果的です。誤字などを指摘してもらえるのはもちろん、書いている自分では気付けなかった「これってどういう意味?」とか「この伏線って回収しなくていいの?」みたいなポイントに気付いてもらいやすいです(自分で読むとどうしても脳内補完してしまって気付けないパターンが多い…)
字書き同士で原稿交換して校正し合えたらとてもいいですね。締切前に原稿を読んでくれるお友達がいる方にはおすすめの方法です!
校正実話
完全自分語りになってしまいますが、私は現在長編小説(50万字くらい)の校正作業をしている真っ最中なので、その話をちょっと書いておこうと思います。
原稿はノートパソコンを使って書いています。TATEditorという縦書き可能なテキストエディタを利用しています。原稿執筆中はなるべく立ち止まらない・振り返らないという方針で、とにかく書く!あとで直す!の精神で突っ走っていました。なので校正作業がめっちゃヤバいです。
校正環境
長編で気合の入っている話なので、校正は以下のようにやろうと考えています。
- Wordに流した原稿をデカいモニターでチェック(同時にスマホでも読む)←今ここ
- 印刷してチェック
- もう一度PCでチェック
原稿は小さいノートPCで十分なんですが、校正はでっかいモニタに繋いでやってます。目が疲れるので……。実際に印刷する組版に流し込んだ原稿を1から読み返して校正作業中です。ついでにスマホに同期してスマホでも読んでます。スマホの小さい画面で横書きになった状態で読むと、意外なミスに気付けることがあります。
この作業が終わったら、実際に印刷所で1冊だけ製本してもらって、その本でチェックしようと思ってます。紙チェックが一番捗るし大好き。赤ペンでガンガン書き込んでいきます。
また、Claude3という生成AIを試しに使っています。これめちゃくちゃいいかもしれない。また別記事書きます。
チェックポイント
基本的には本記事で紹介したポイントを確認しています。
勢いで原稿書いてるので、とにかく誤字の修正はしっかりやりたいですね。まだ途中ですがめっちゃあります……。変換ミスもあるし、「てにをは」がおかしい部分もかなりあり修正が大変です。「以外」と「意外」みたいな初歩的なミスが結構あって自分にがっかりしました笑
「同じ単語が繰り返し使われていないか」という点もかなり注意しています。私は文章が回りくどくなることが多く、いらない副詞や助詞を盛ってることが多々あるので、読んでいて「うっとおしい!」と思う部分は削っています。
校正を進めていて、私は「なんて」「なんか」「だけ」「て・で」「ばかり」「こそ」「さえ」「それから」「確かに」「ふいに」「思わず」という単語を多用していることに気付きました。検索機能でピックアップして、不要な部分は削っていこうと思っています。
そして単純に、物語序盤では2階にあるはずのAの部屋が終盤では3階になってる……とか、バイク乗って帰るのにお酒飲んでるやん、とかそういうミスも色々ありました。私の原稿、直し甲斐がある……!!!!!
以上、校正で気を付けて確認したいポイントと校正方法のまとめでした!
この記事を書いている私自身、数年前に出した同人誌を読み返して「ちゃんと校正しろ!!!!!」と当時の自分を叱りたくなる気持ちになることが多々あります。買って読んでくださる方のためにも、将来の自分のためにも、しっかりと時間をかけて校正作業に取り組むのがおすすめです!