同人誌のギリギリ入稿をやめたいあなたへ
同人誌をつくる上で、必ず私たちを追いかけてくるものが締め切りです。
この記事では、締め切りを守ってそれなりに余裕をもって入稿するためのスケジュールの立て方を、8つのポイントに分けてご紹介します。
- とにかくもう少し余裕をもって入稿したい
- 新刊を落としたくない
- スケジュールの立て方がわからない
実践!同人原稿スケジュール8ポイント
- 同人誌の概要をざっくり決める
- 締め切りを設定する
- やることを書き出し、順番を決める
- 締め切りまでの日数を数える
- 本文原稿「以外」の作業の所要時間を決める
- 本文原稿「以外」の作業日を決める
- 「本文原稿」を細かく分け、いつやるか決める
- 原稿をしつつ、スケジュールを見直す
1.出したい同人誌の概要をざっくり決める
まずは出したい同人誌の概要をざっくりと決定します。
細かい内容や装丁を決める必要はなく、「あんな本出そ~~~~」みたいな感じで大丈夫です。
2.締め切りを設定する
締め切りを設定をします。ポイントは2つあります。
- 出るイベントが決まったらすぐにやること
- 何も決まっていないのにとりあえず原稿を始めないこと
ひとつずつ説明していくので、出るイベントが決まっている方は、自分の場合はどうだろう?と置き換えながら読んでいただけるといいかと思います。
サークル参加するイベントの開催日を把握する
出ようと決めているイベントの開催日を把握します。
ここからは、実際に私が次に参加しようとしているイベントを例に挙げて考えていきます。
例:9月6日開催のオンリーイベント
締め切りを確認する
次に、入稿締め切りを確認します。
出したい本の装丁・印刷所が決まっていない場合は、自分がよくやる装丁・よくお願いしている印刷所でとりあえず締め切りを計算しましょう。
例:締め切りは7月29日
はやっ!!!!!!と思った方もいると思います。ていうか私も思いました。
早割使ってるので締め切りがかなり早いです。
3.やることを書き出し、順番を決める
次は、やることを明確にしていきます。締め切りが確認できたらすぐに取りかかります。
やることを書き出す
本を出すためにやることを全部書き出します。ざっくりで大丈夫です。
例
- プロットを書く
- 本文の原稿をやる
- 表紙をつくる
- 事務ページ(奥付など)をつくる
小説書きの私の場合はこうなります。あとで細かくしていくので、まずはこれくらいざっくりでOKです。
やることの順番を決める
書き出したやることを実際にやる順番を決めておきます。
もちろんこの順番があとから変わっても大丈夫です。スケジュールを立てるために、仮として決めます。
例:プロット→原稿→事務ページ→表紙 の順番
4.締め切りまでの日数を数える
締め切りまで何日あるか数えるだけです。「作業できる日が何日あるか」ではなく、とにかく「何日あるか」を数えます。
例:80日間
5.本文原稿「以外」の作業の所要時間を決める
本文原稿「以外」の作業にどれくらい時間をかけるかを決めます。
例
本文原稿以外の作業:プロット/表紙をつくる/事務ページをつくる
-
- プロット:7日
- 表紙をつくる:1日
- 事務ページをつくる:1日
時間は多めに見積もっておくのがポイントです。
私の場合、実際は表紙と事務ページは合わせて1日もかからないのですが、初めから多めに時間をとっておきます。そうすることで余裕が生まれます。
6.本文原稿「以外」の作業日を決める
さきほど決めた、本文原稿「以外」の作業をいつやるかを決めます。
今決めたってあとから予定入るかもしれないし……仕事もあるし……とか色々思うところはあると思いますが、とりあえず決めます。計画通りできなくても全く問題ないです。
例:80日間あるうち、
- プロット:1~7日目
- 表紙:79日目
- 事務ページ:80日目
→ 8~78日目が「本文原稿」に使えることがわかる
7.「本文原稿」を細かく分け、いつやるか決める
本文原稿「以外」のことが決まったら、今まで放置してきた「本文原稿」について考えます。
「本文原稿」を強制的に分ける
さっきの手順で、8~78日目(71日間)は本文原稿ができることに決まりました。
しかし、この71日間は全部「本文原稿」!!!!!としてしまうのは良くないです。
なぜかというと、例えば40日目に「このペースで大丈夫なのかな?」と考えたときに、間に合うかどうか全くわからないからです。
そのために、「本文原稿」を強制的にいくつかに分けます。
例
- 原稿1…AとBの出会い Aの過去のエピソード等
- 原稿2…AとBが接近する
- 原稿3…転機が訪れる
- 原稿4…なんだかんだでくっつく
適当に書いてますが、自分だけにわかるレベルで大丈夫なのでざっくり話を割ります(小説の場合)
分けた「本文原稿」の作業日を決める
1~4に分けた「本文原稿」をどういうスケジュールでやるか決めていきます。
例
残っているのは71日間
71日間 ÷ 4原稿 = 17.75日
→ 1原稿あたり 17日(端数は予備日として置いておきます)
漫画の場合は、時間がかかる作業に日数を多く割くなど、自分の作業ペースに合わせて当てはめてみてください。
8.原稿をしつつ、スケジュールを見直す
ようやく実際に作業を始めます。
ここまで読んだ方の中には、「こんなスケジュール立てて本当にできるの?」「この通りできるなら今まで苦労してないんやけど……」と思った方もいると思います。
もちろん100%スケジュール通りにできるとは限りません。
できないからこそ、原稿をしながら見直すことが大切なポイントになります。
PDCAサイクルを回す
PDCAという言葉をご存じでしょうか?
- PLAN(計画)
- DO(実行)
- CHECK(評価)
- ACT(改善)
PLAN→DO→CHECK→ACT の順に繰り返し行う
これまでやってきたことがPLANにあたります。計画を立てました。
次は、立てた計画の通りにDO、つまり作業をします。
できるだけ計画通りにやるぞ!と意思を持ってやってみてください。
ある程度進めたら、今度はCHECKです。計画通りにできているか?と振り返ります。
例えば、私は7日間でプロットを仕上げる計画を立てました。しかし、仕事が忙しくて5日目になっても全く考えられていません。
そこでACTです。「あと2日間は休みだからそこで仕上げることができる」、「あと2日では間に合わない、計画を変えよう」など、改善策を考えてみましょう。
計画を立て直す場合はまたPLANに戻ります。
これが締め切り前になってくると、ACTで判断することが「新刊を落とす」「徹夜する」「有休をとる」「準備号にする」などになってきます。
同人誌原稿のスケジュールを立てる上で大事な考え方
ご紹介した8ポイントを実践するにあたって、大切な考え方が3つあります。
- 数値化する
- ゴールを定める
- 無理な計画は立てない
1.数値化する
うそでもいいので作業に何日かかるか計算する。締め切りを早いうちに把握しておく。それだけでOKです。
数字で管理することで、自分が今余裕があるのか、遅れているのかちゃんとわかります。
2.ゴールを定める
印刷所の締め切りだけじゃなくて、「この日までにプロットを終わらせる」「この日までに表紙を終わらせる」とざっくりでいいので分けて決めることが大切です。
そうすることで、計画通りに進まなかったとしても遅れを取り返す時間が生まれてくれる可能性が上がります。
3.無理な計画は立てない
無理な計画を立てると、必ずどこかで「無理ー!!」ってなります。できないことをやるための計画ではありません。
計画を立てる段階で「これ無理なやつじゃん」ってならないように、計画は早めに立て始めるようにしましょう。そして、自分ができる範囲で作業を落とし込んでください。
同人原稿のスケジュールの立て方 まとめ
それではスケジュールの立て方をもう一度おさらいします。
- 同人誌の概要をざっくり決める
- 締め切りを設定する
- やることを書き出し、順番を決める
- 締め切りまでの日数を数える
- 本文原稿「以外」の作業の所要時間を決める
- 本文原稿「以外」の作業日を決める
- 「本文原稿」を細かく分け、いつやるか決める
- 原稿をしつつ、スケジュールを見直す
計画性があれば新刊は落ちない(はず)!
一緒に頑張りましょう~!