なんとなくぼんやりとTwitterを眺めていたら、「私は同人誌を先にWEBで全文公開してから頒布するけど、逆にWEBで公開しないで同人誌のみで発表してる人ってどうして?」(要約)というアンケートが目に入ってきました。
結構話題になっていて(8,000RT以上)、私もちょっと考えてしまったことがあるので、ここにまとめておきたいと思います。
事の発端となったTwitterのアンケート
ツイート主さんはすでに鍵アカにされたようなので、内容を要約します。
- 私は方針として、同人誌を作った際、全ページWEBに公開してから頒布している。
- それは、WEB公開しない理由が存在しないためである。
- 単純に気になるので聞きます。
- 逆にWEB公開をせず同人誌のみで発表している方の理由は何ですか?
- 同人誌を作った際、全ページ先にWEB公開しない理由があるなら、私もそうします。
それに付随するアンケートの選択肢は以下の通りです。
- 利益確保のため
- 転載等防止のため
- そういう慣例だから
- その他
私がこのツイートを見かけたのはおそらくツイート主さんが鍵をかけられる直前でした。
投票はできましたが、リプツリーを表示することができず、不具合かと思いツイート主さんのホームは開けるかと飛んでみたところ、鍵がかけられていて表示されない状態でした。
投票数は70,000票以上に及んでおり、パーセンテージまでは記憶していないのですが「その他」票が一番多かったです。
その他が多かったのは、1~3の選択肢は「同人誌を先に全文WEB公開しない一番の理由ではなかった」ということでしょう。
「その他」以外の選択肢に対する考え
利益保護のため
その同人誌がオリジナル(一次創作)であれば、WEBでの無料公開ではなく、利益を出すために同人誌のみを発行しているのだ、ということで納得できます。
二次創作の場合、同人誌を頒布してお金をいただくのは、「印刷代として」です。
二次創作においては、利益保護のために同人誌を先にWEB公開しない、とは基本的にならないでしょう。
「頒布数が減って印刷費が回収できなくなる」的な内容なら押す方も多かったかもしれません。
転載等防止のため
こういう方は一定数いらっしゃるかもしれません。
しかし、同人作家の多くは「同人誌にする(無料公開しない)作品」「WEBで無料公開する作品」のどちらも生み出しているように思います。
また、「同人誌完売から1年経ってからWEB再録」という例なんかはとても多いですよね。
そういった場合に合致する理由ではないので、投票する方が少なかったのではないかと思います。
そういう慣例だから
私は同人誌を作り始めて8年そこら、古(いにしえ)と呼ばれるには新しい世代だからか、そういう慣例があるかはよくわかりません。
私のように「そんな慣例聞いたことないな」って方が多かったのかもしれません。
ツイート主さんが仰っていることはよくわかる
もしかしたら当該ツイートの書き方やアンケートの選択肢に「ん?」と思われた方もいるかもしれませんが、書かれていることはわかるし、間違っているとも思いません。
同時に、「WEB公開をせず同人誌のみで活動する人」も同じように、間違っているとは思いません。
活動は自由で誰にも文句を言われるべきではないし、同じように自分も人のやり方に文句を言うべきではありませんよね。
……という前提で、私の意見をまとめていきたいと思います。
「本を作りたい」のか「たくさん読んでほしい」のか
「本を作りたい同人作家」と「たくさん読んでほしい同人作家」の違い
同人作家って「本を作りたい同人作家」と「たくさん読んでほしい同人作家」に分かれるんじゃないかと思いました。
両者について。まず目的が違いますよね。
当然ながら、前者の目的は同人誌を作ること、後者の目的はたくさん読んでもらうこと。
私は基本的に、同人誌を作ることを目的とした書き手です。
WEBに作品を無料公開することもありますが、同人誌に収録する話とは全然違うものを書きます。
例えば同人誌に収録するのが「ちゃんと起承転結がある(たぶん)少なくとも30,000文字以上の話」で、WEBで公開するのは「起承転結の’承’しかなくてもオッケー!10,000字なくてもオッケー!」みたいな感じです。
でも、同じ書き手さんならわかってくださると思うのですが、読んでもらえる数って
同人誌<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<WEBの無料公開
なんですよね、基本的に。
だから読んでもらうことが目的で作品を作っている人が同人誌頒布前にWEB公開を選択するのは、なんにもおかしくないことだと思います。
ただ今回のツイートは、「たくさん読んでほしい同人作家」が「本を作りたい同人作家」に対して、
「なんで先に全文公開せずに同人誌だけでやってるの?」
って問いかけた(ように見える)ことで様々な意見が飛び交ったし、私もこうしていろいろ考えるきっかけになったんだろうなと考えます。「本が作りたいからだよ」としか答えようがないよね、ということです。
同人誌は「本」から始まった文化
同人誌はWEBよりも古い文化です。
正直私も同人誌の奥付に住所が載っていたような時代に同人やっていたわけではないので、深くは知りませんが……。
そんな歴史もあり、同人誌というものへの思い入れが強いオタクは多いのかもしれません。
私は紙で読む人様の作品が大好きです。一方で、寝転がってスマホで漫画や小説を読むのが大好きな友達もいます。
どちらも間違っていないんですよね。
時代の流れはやっぱりデジタルですが、どちらの考えも尊重され続けるべきだと私は思います。
「本を作りたい」派の私が一度だけWEBに同人誌を再録した話
事前ではなく完売してからの話ですが……。
「本を作りたい」派の私は同人誌を再録したことがこれまでありませんでした。
そんな私がとある作品をWEB再録しようと決めた理由、それがたくさん読まれたいからだったんです。
そのカプは即売会に出てもオンリーワンかフォロワーさんと二人きり、描き手も読み手もほとんどいない、最愛の攻めキャラにはアンチも多い、まずジャンル自体が(同人的に)盛んじゃない、そんな状態でした。
しかしある時、そんな自ジャンルに大きめの燃料が来ることがわかりました。
燃料が来たって新規が増えるかはわからない。でも、もし増えるならぜひ自カプを好きになってほしい興味を持ってほしい知ってほしい!!!!!!
そんな一心で、まだ完売から半年経っていませんでしたが、最も気合い入れて書いた同人誌を全文WEB再録しました。
結果。
自ジャンルはバズりました。久しぶりに流行が来ました。
私がUPした同人誌再録も(自分比)めちゃくちゃ読んでもらえました。
自カプに仲間が増えました!!!!!!!!!!!!
もともと30冊も頒布してない(そもそも刷ってない)同人誌です。
再録はその頒布数の10倍以上ブクマをいただきました。(これを多いとみなしていいかは微妙ですが私の作品としては最高値です)
もともと私は同人誌を作ることが大好きなので、30人にしか読んでもらえなくても全然構いませんでした。
これからも私は同人誌を再録せず、事前公開することもなく同人活動を続けると思います。
けれど、たくさん読まれたいひとの気持ちも本当に本当によくわかりました。良い経験でした。
Twitterで見かけた、アンケートに対する回答
先に公開するのは買ってくれる方に申し訳ない
せっかく足を運んでくれて、お金も払って頂いて、なんなら差し入れなんかもいただいて……みたいなやつですよね。
これは「本を作りたい同人作家」の方に多い考えかなと思います。
個人的には、申し訳ない気持ちもわかるんですがどちらかというと、これからも本を作り続けていたいから、WEBで事前に全文公開したら本で読んでくれるひとが減るんじゃないか、と心配してしまいます。
装丁凝りたいので、例えば部数が30切るとあれも難しいこれも難しいってなったりして。
あとできれば書くならせめて10人くらいには読んでてほしいな~とは思ってるので、申し訳ないっていうよりは誰も読んでくれなくなって本を作る気力がなくなったら嫌やなっていうのがあります。
本の締め切りがないと原稿ができない
これ全同人作家の何%くらいが当てはまるんでしょうね?????????
98%くらいいるのでは???って思っちゃうんですけど・・・・・・
この日までに入稿しないと形にならんぞ!!!!!!!という緊張感。
だから先にWEB公開しないんですか?って聞かれると答えはノーなんですけど(字書きなので入稿した1時間後くらいにpixivにUPすることはたぶん可能)、気持ちはめっちゃわかるなって話でした。
同人誌が完売したあとに再録はする・事前公開はしない
これは「本を作りたい」派の人が、あとからじわじわ「たくさん読まれたい」欲が上がっていくパターンだと思います。
本を作ってそのときはかなり満足したけど、まだいろんな人に読んでもらいたいな~
とか、
自カプにも新規の方が増えたし昔書いたあの話、読んでほしいな~
とか、ありますよね。
まとめ:やりたいようにやればいい!
やりたいようにやればいい!
誰かに向けてではなく、自分に向けて言ってます。
なんか今改めてTwitter見てみたら、ツイート主さんが鍵をかけられたので元のツイートが見えなくなってしまっていて、論点が「同人誌のweb公開は悪か?」にすり替わっているツイートとかを見てげんなりしてしまったんですよ……。
WEBで公開しないのも悪じゃないし、事前に全文公開するのも悪じゃないし、再録するのも悪じゃない。
みんな他人に迷惑かけない程度にやりたいようにやればいいんですよね!
その代わりに他人に口出ししない。
自分と違う意見を「間違ってる」と決めつけたように話さない。
他人に自分の考えを押し付けない。
私だってそうですが、古の文化や同人の発展(?)なんかを知らない世代が増えていて、そんな人たちがめちゃくちゃ楽しく同人誌作ってるんですよね。
これってすごいことですよね。
価値観の違いを尊重しないとな~、他人をちゃんと理解しようとする姿勢って大事やなぁと改めて感じました。以上です!